3.新商品のスタートライン

試作品約30分、製品化までは約1年
アイデアを見つけ試作品が出来るまで、わずか30分だった「どこでもマグネット」だけど、商品化までには、約1年も要することになった。
例えば、マグネットを組み込んだプラスッチックボタンづくりでぶつかった壁。
現在は、まとまった数が出ているので完全な成形品になっているけど、この段階では、いくつ売れるか見えないため、お金のかかる成形品ではなく、ボタンにマグネットを組み込むことにした。これは、ボタン印刷の仕事をしていた時代からお世話になっている、ボタンの専門メーカーに協力していただいた。
ボタンにマグネットを接着剤でくっつけるとカンタンだ。でも、僕はどうしても接着剤だけは使いたくなかった。小ロットだと、一つひとつ手作業で留めるしかないので、それを担当する内職さんたちが接着剤やそれを落とすためのシンナーの揮発物質を吸うことになる。さらに、接着剤だと、見ただけでは、本当にボタンとマグネットが完全にくっついたのかが分かりにくい問題もある。
ボタンメーカーの方といくつものサンプルを作り、粘りに粘ってやっと、接着剤を使わずに、一体化するボタンの形状に辿りつくことができた。
改めて気づいたKanmidoの財産
これ以上に、大変だったのが、もう一つのパーツである鉄を組み込んだシートの方だ。
これもマグネットボタンと同様、こういった分野を得意にする会社に協力してもらったのだが…。でも、そんな苦労話ばかり書き連ねてもしょうがない。モノづくりには必ず苦労がセットになっているからだ。
ただ、皆さんに一つだけお伝えしたいことがある。僕はこの原稿を書いていて改めて気づいたことがある。それは、もしかすると…「どこでもマグネット」に本当スゴいところがあるとすれば、それはアイデアそのものではなく、これを商品化したことにあるのではないか、ということだ。商品化がなぜ出来たか、を考えていくと、こんなモノを作れないか?と聞いた時、それに「ムリ」とは言わずに、どこまでも協力してくれたいくつもの会社(中には個人もいるけれど)の存在がある。
これは、Kanmidoの他の商品にも共通するものだ。Kanmidoの一番の財産は、商品開発・製造に協力してくれる人々であることを改めて心に刻みたいと思う。