2.アイデアが確信に変わった時

電話では伝わらない、これまでなかったアイデア
そのアイデアとは、ポストイットを逆転したような発想だった。
それまで、ボタンのウラ面に粘着テープを貼って、いろんな場所に飾れたらどうだろう…
と考えたことはあった。それを発展させて、オモテ面にも粘着テープを貼ったら…とふと考えたのだ。
ボタンのウラにもオモテにも粘着力があれば、ポストイットのように好きな場所で使えて、なおかつ、いろんなメモを貼りつけられる。全ての紙がポストイットになる!
実際に、両面に粘着テープを付けたボタンをいろんなところにくっつけて、メモを貼ってみると画期的なアイデアのように思えた。
このアイデアが思い浮かんだその日のうちに、オリジナルボタンづくりに協力してくれていたデザイナーに電話を入れていた。
でも、これまでなかったモノのアイデアが電話だけで伝わるわけもない。
すぐに会いたい、見てほしいモノがあるんだ、とだけ伝えた。
彼と顔を合わせ、このアイデアを見せると、とても共感してくれた。
ネーミングは何だろう? パッケージは? 誰が欲しがる商品だろう?
そんな具体的な話を、時間を忘れ話し合っていた。
期待と不安、それが不安でいっぱいになり出す

ネーミングもパッケージも海外商品のような「オーキッス」。
このネーミングは、その頃、アメリカの若い女性の間で流行した友達への手紙に書く記号がヒントになっている。
さらに、ボタンメーカーの方なども加わり、両面に粘着力のあるボタンは具体的に商品化の道を歩み出した。
初めての市販商品への挑戦、走っては止まり、また走っては止まる。その数えきれないくらいの繰り返しを経て、アイデアが徐々に鮮明な形を持ちはじめた。
名前は「オーキッス」。アイデアもネーミングも今までなかったものだ、パッケージもそれにふさわしい斬新なものにしたい…まるで海外商品のようなデザインに仕上った。
「オーキッス」は卸し会社を通して、次々に有名SHOPに並びはじめた。
販売当日、期待と不安を抱きつつと「オーキッス」の販売店をいくつかまわってみた。
でも、あまり売れていないように見えた。次の日も、また次の日もそれは同じだった。
だんだんと僕の中で、不安な気持ちの方が大きくなり出した。