1.きっかけ

作っては壊しを丸一年繰り返すうちに原型から大きく変わった。

商品開発には苦労はつきものだとしても

商品開発が“この世になかった利便性を生み出す挑戦”である以上、苦労はつきもの。 でも、それを前提にしても、10min.(テンミニッツ)を世に出すまでには、これまで手がけてきた商品開発の何倍もしんどい想いをした、というのが正直なところだ。

テンミニッツの開発は、2008年の3月から本格化した。その時は、発売を約半年後の初秋に設定していた。
実際には、2009年の3月の発売になったから…なんと当初の予定より約半年もズレ込んだことになる。

それだけ、全てにおいて“作っては壊し”を際限なく繰り返した。仕様・販売方法・デザイン・ネーミング・WEBサイトどれをとっても、そのまますんなり企画が通ったものは一つもない。

大きな壁にぶつかる度に、僕自身も開発に関わったメンバーも、「この商品は本当に世に出せるのか? 」という不安を抱えながら、それでも次のアイデアを出すために、ひたすら考え続けるという1年間をおくることになった。

残業がちな社員のためにつくった社員専用のアイテムだった。

もともとはカンミ堂社内専用のアイテム

もともと、テンミニッツのアイデアは、弊社の社員、遠藤君のために作った“カンミ堂社内専用の”時間管理アイテムから生まれた。

遠藤君が担当しているのは製造の進行管理で、予定外の仕事が入りやすい煩雑な業務だ。それだけに、自分自身での時間コントロールが他の社員より難しく、残業時間が長くなりがち。これを解決できる方法はないか…と考えていたら、自然にイメージが浮かんできた。

僕は頭で考えると同時に手を動かす性格だ。切って貼っての作業に時間を忘れて没頭し、気づくとこれまでに見たことのない形のモノが出来上がっていた。

それはパソコンフレームに貼りつけて使う細長いバーだった。このバーには時間軸がプリントされていて、ここに仕事内容を書いたふせんを貼ると、何時からどの仕事をすればよいかが、ひと目で見渡せる。
もう一つ、これまでにないアイデアがあった。仕事にかかる時間とふせんのサイズを対応させたのだ。つまり、仕事に要する時間が長くなるほど、ふせんのサイズも大きくなるというわけだ。
ふせんに仕事の内容を書く時に、サイズを選ぶことで時間の見積もりが短時間で出来る流れも作れた。
この時間が見積もれるふせんをバーに貼っていくと、今日という限られた時間内にやるべき仕事がおさまるかが視覚で確認できるし、一つひとつの仕事にかかる時間を把握しているので、急な仕事が発生した時でも入れ替えや、順番の並べ替えがスムーズに行えるようになった。

仕事にかかる時間をサイズで表すという大きな発見。

実際に遠藤君をはじめ、他の社員にも使ってもらったが仕事が効率的に進むことに加えて、時間が有限であることへの意識が高まった。例えば、社内ミーティングの時などでも、「どれくらいの時間がかかりますか」という質問が自然に出るようになった。

良かったな、という感慨と共に、彼と同じような悩みを持っている人が世の中にはたくさんいるということは…これは商品化できるアイデアなのでは…そんな考えが頭によぎった。テンミニッツの商品開発がスタートした瞬間だった。

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