2.確信に変わった時

自分が思っていた以上の挑戦だった
商品開発に着手してから、僕はこの商品のテーマである時間管理の本を片っ端から読みまくった。時間管理のセミナーに足を運び、それだけでは満足できず、セミナーの主宰者であるコンサルタントに時間をつくっていただき、マンツーマンでのレクチャーを受けたりもした。
そして、時間管理について深く知れば知るほど、この商品を世に出すことが自分が想像していた以上の挑戦であることに気づかされた。
実は手帳を中心に、時間管理まわりのアイテムのほとんどが“長期の時間管理”をテーマにしたものなのだ。
この商品のように短期的、しかも今日の時間管理に限定したアイテムは皆無といって良かった。
皆無ということは、そこにニーズがないことを意味しているかもしれない。逆に、潜在的なニーズはあるものの、誰もまだ挑戦していないだけかもしれない。
だが、それはどんなに手の込んだリサーチをしても、最終的には商品を世に出してみないと分からない。世に出すか、出さないか、僕の心はこの二つの可能性の間で激しく揺れ続けた。

不安に打ち勝つための唯一の方法
テンミニッツの商品開発を進めていた一年、僕の心は片想いをしている高校生のように不安定だった。
「この商品を世に出しても全く売れないのでは」と自信を喪失した日があったかと思えば、数日たつと「いや、絶対にニーズはあるはずだ」と自信がわいてくる。その繰り返しに疲弊することもあった。
しかし、不安に打ち勝つためには、とにかく商品力を高めるしか道はない。頭で考えていても仕方ないのだ。
この原石を限界まで磨いても光らないのなら、世に出すのを諦めるだけの話だ。
ある時は、ガジェット(パソコンの画面上で使う時計)と組み合わせたらどうかと考えた。
ある時は、時間管理の参考書のようなものと商品を組み合わせて書店で販売できなかと考えた。
コンサルタント、プロダクトデザイナー、出版社の方、時間管理セミナー参加者…多くの人たちにこの商品に対する意見を聞いてまわり参考にした。
仕様もネーミングも販売方法も、企画見直しの度に根底から全て変更していく必要があった。
そして、開発がスタートしてから約半年後の2008年秋、ようやく翌年の春にこの商品を発売しようと自分の中で決意できるまでになった。
もう、迷う必要はないんだ、そう思えるものが目の前にあった。その時、ほぼ現在のテンミニッツの形が出来上がっていた。