米光一成 氏

 

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 皆さんもそうだと思いますが、いくつもの仕事が同時に進行している、これが僕の日常です。

原稿やゲーム企画の仕事が4〜6つと同時進行していることは珍しくありません。これらに加えて僕は大学やライター/発想力講座の講師をしています。授業の時間の確保はもちろん、レジュメの準備にも時間が必要なので、授業がある日は基本的に他の予定を入れられません。
こうお話すると忙しそうですが、僕本人は時間に追われている感覚ってあまりないんですね。

だ からといって、マイペースで仕事をしているかといえば、そうでもなくて、いくつもの仕事が同時進行していても、締め切りはきちんと守っています。 といっても、きっちりルール化するのが苦手な性格なので、専門的な時間管理術を取り入れてはいません。 では、どのようにいくつもの仕事を整理して進めているのかというと『頭の中を常にレイヤー状態』にしています。

レイヤーというのは、DTPソフトのフォトショップやイラストレーターを使う方は身近だと思いますが、目に見えない透明ないくつもの層が何層も重なり、一つの写真や絵になっている状態です。

それと同じように「雑誌Aの締め切り、雑誌Bの締め切り、ゲームAの企画、ゲームBの企画…とそれぞれの仕事が僕の頭の中で何層にも重なっています。 強く意識しているというよりも、いくつもの仕事を薄ーくぼんやり意識している感じと言えばよいのでしょうか。
そのレイヤー状態でいると、街を歩いていても本屋にいても、目にしたことや聞いたことを仕事のネタとしてどんどん拾いあげることができるんですね。

 

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例えばですが、今あなたが原稿や企画の締め切りを3つ抱えているとしましょう。締め切り日はそれぞれ1週間後、2週間後、1ヵ月後です。こういう場合、どの仕事から終わらせていきますか。 ちょっと考えてみてください。

まぁ、ほとんどの人が考えることなく、この1行を読んでると思いますが、言うまでもなく普通は締め切りが早いものから順に手をつけていきますね。でも僕の場合、必ずしもそうとは限らないんですね。

当たり前ですが、原稿や企画は締め切り直前に形にすればよいというものではありません。ネタを探したり資料を集める「仕込みの時間」が必要です。 さきほどもお話した通り、頭の中をレイヤー状態にしていると、この仕込みが効率的にでき、街を歩いているだけで原稿や企画のネタと出会えるケースが多々あります。
ただ、一つ問題があって、必ずしも締め切りが早い仕事のネタと出会うとは限らないんですね。締め切りが遅い仕事のネタと出会った時、多くの方はそのアイデアをとりあえずメモして、締め切りが早い仕事と向き合うのかもしれません。
でも僕は、「このネタ面白い!!」と思った時が、原稿や企画を形にするのには理想と考えています。

人って集中しなければ!と思ってもなかなかできないものです。でも、今、思いついたことを早く形にしたい!!と夢中になっていれば、自然にすごい集中力を発揮できます。
これ以上の効率ってないと僕個人は思っています。

でもこの状態は、仕事だから…義務だから…やらないとなぁ、という後ろ向きの気持ちではなかなか作り出せません。
だから、僕はイヤな仕事はお断りしています。
好きな仕事しか受けていないから、一生懸命考えなくても、自然に意識ができる、レイヤー状態が作れるというわけです。

でも、よく考えると、僕は嫌いなことってあまりないかもしれませんね。割合、何でも肯定的に受け止める方です。
例えば、僕は今、携帯ゲームの企画も多く手がけていますが、はじめて依頼を貰った時には携帯をほとんど使いこなせて いなかったんです。苦手だから…と断ってもおかしくない 状況だと思いますが、「なんで今まで携帯を敬遠していた んだろう?」と考えて、自分が携帯でひっかかっていた 部分を直すような仕事をしたいと思いました。

まぁ、第一印象で嫌いなもの、を片っ端から断っていたら 仕事なんてなくなっちゃいますからね。



 

 

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携帯ゲームの企画に携わっている僕が言うのもあれなんですが— テンミニッツと同じような機能を携帯のようなデジタル機器にもたせることは不可能です。 テンミニッツはアナログだからできることの典型なんですね。

携帯のディスプレイ上では文字の大きさはほぼ同じです。文字に色もついていません。そして、決定的なのが手書き文字ではない…そこにはただ、決まった定型フォントが並んでいるだけです。 つまり、携帯の文字情報は『全て均一化』されているわけです。

これが、テンミニッツと同じことを携帯で出来ない最大の理由です。 テンミニッツで整理された情報には『話し言葉でいうところの身ぶり手ぶりの』ビミョーなニュアンスまで含まれています。 これって、ちょっとした違いのようでメチャメチャ違うんですよ。

テンミニッツならふせんの大きさを見ただけで、いちいち考えなくても「この仕事にはちょっと時間がかかりそうなだなぁ」と感覚的に判断できます。 僕は、テンミニッツのふせんに文字を書き込む時、3色ボールペンとシャーペンを使い分けているんですが、そうすることで、さらにビミョーなニュアンスを込めることができます。

絶対に忘れてはいけない仕事の情報は赤の文字で書き込む。 メールを出すなどの雑務は青の文字。お風呂のブラシを買うなんていう日常の細々したことはシャーペンで書いています。 こうすると後で見返した時、いろんなことが感覚的に分かります。 これが僕がテンミニッツを使ってみて最も「おー!」と感じた部分なんですね。

ただ、僕はキッチリ、ルール化するのは苦手な性格なので、なんとなく〜ゆるめ〜に色を使いわけてます。

ゆるめに設定するってことも結構大切。案外、ゆるめだから続くってこともあるのではないでしょうか。