日本タイムマネジメント普及協会 理事 行本明説氏

 
細かい仕事なんて、そんなのどうでもいい、ほっとけ!
そこまで大胆に言い切ってしまう、行本明説さん。
大好物のアイス 白くまとタイムマネジメントの関係についてのお話も非常に役立ちます。
ここまで来ると、タイムマネジメントというよりも人生講座の域ですね。

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仕事には二種類あることを知ろう

 
 

今日一日のプランってなぜ必要なの?

 

たまに、今日一日のプランよりも長期プランを作る方が重要じゃないかって、勘違いしてる人がいるんだよね。もしかすると、これを読んでいる人の中にもそういう思い込みをしている人、いるかも分からないから、まずはその考え方を修正していこうか。

よくよく考えてみてよ。今日一日をどうするかのプランが作れない人に、10年後、20年後のことなんて考えられると思う?

「今日一日のことはあまり考えていません。でも将来はこうなりたいんです」って人がいたら、あなたはどう思う?そんな人の将来のプランなんて信用できるわけがない。

逆に、成果の出せる今日一日のプランを作れる人は、成果の出せる長期プランを作れる可能性が高い。これは納得だよね。だって、将来、将来って言ったって、今日一日の積み重ねでしかないのだから。将来に向けてのはじめの一歩として、今日一日のプランをしっかりたてる。その上で長期プランをたてると実現が近づいてくる。両方つながってるわけだ。

 

 

タイムプランニングってそもそも何?

 

すぐにテクニックを知りたいと思うけど、その前に考え方からしっかり固めよう。その方が近道だからね。今日一日のプラン作成、よくタイムプランニングって言葉が使われるけど、それってそもそも何なのさと。ここんとこを知らないと何もはじまらない。

タイムプランニングには「時間を効率的に使うタイムプランニング」と「仕事をいかに上手に処理するかのタイムプランニング」があって、たいした違いはないように感じるかもしれないけど、その考え方は全く違う。考え方が違ってくれば、やることも違ってくるのは当然。

まぁ、どっちを選ぶかは人それぞれだけど、僕は「時間を効率的に」の方はどうも好かないね。「時間を効率的に」って早い話が、空いてる時間をどんどん埋めていくという発想でしょ。はた目から見ていて、そんな窮屈なやり方よくやってるね、ストレスたまらないのかって思っちゃうよ。

僕が皆さんにおすすめしたいのは「仕事をいかに上手に処理するか」って方のタイムプランニング。世の中にはいろいろな職種があるけど、ホワイトカラーであれば、仕事には共通の仕組みがある。それを知ることによって、今日一日が快適に過ごせるようになる。このことを皆さんにもっと知ってほしいんだ。

 

 

ホワイトカラーに共通の仕事の仕組みって?

 

さっき、仕事には共通の仕組みがあるよって話したけど、仕組みって言ったって難しい話じゃない。「仕事には二種類ある」ってことを覚えるだけでいいの。もう一度言うよ。「仕事には二種類ある」たったこれだけ。

その二種類とは、一つ目は「打ち合わせなどの他人とのコミュニケーション」。二つ目は「書類作成などの自分一人で行うデスクワーク」。この二つは種類が違うわけだから、整理方法も別個にすべきなんだけど、仕分けしないで管理している人があまりにも多い。

一枚のTo Do List(やることリスト)に書類作成と打ち合わせをいっしょくたに書いて管理しようたって、そんなの上手くいかないの当たり前だよ。それぞれ性格が違うのだから。

 

 
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仕事の性格が違えば整理方法も違う

その日コンタクトをとる人を書き出す

 

では、仕事には二種類あるってことを意識しつつ、今日一日のタイムプランニングを実際にしてみよう。「打ち合わせなどの他人とのコミュニケーション」の仕事の整理方法は、その日のうちに電話やメールなどでコンタクトをとらないといけない相手の名前を書き出す。

もちろん、書き出し終わったらどんどんコンタクトをとらなきゃダメだよ。これを後回しにする人がけっこういるんだけど、午前中にメールを出していたらその日のうちに返信してもらえたかもしれないのに、相手が外出してしまって翌日の返信になるってことも考えられる。
最悪、翌日から相手が病欠や出張で会社にいないかもしれないよ。そしたら返信が数日ズレてしまう。

これが回り回って自分を苦しめる。だから、こういうことは「前倒しする」癖をつけた方が得なんだ。

 

 

今日一番重要な仕事だけを書き出す

 

「書類作成などの自分一人で行うデスクワーク」の整理方法はもっと簡単。今日絶対に終わらせないといけない大事なことだけを一つ二つ書き出す。それができたらその大事な仕事を何時から何時の間にやるかを決める。たったこれだけ。

「あれ?細かい仕事の方はどうなった?」って人もいるだろうね。極端に言うと、そんなのどうでもいい、ほっとけと。まぁ、どうでもいいは言い過ぎたな(笑)。本当は細かい仕事も全部把握できればいいんだけど、それってすごく訓練が必要なんだよ。数学だって、足し算や九九という基本を習って、それで方程式や微分積分に進めるわけ。タイムプランニングだってはじめから難しいことはできない。

だから、ビギナーの人は大事な仕事さえ決めたら、細かい仕事はそれにくっついてくるくらいにイメージした方がいい。いきなり今日一日やることの全てを書き出して、その全てを何時からやるなんて突然決めていったら、きっと頭痛くなちゃうよ。

大事なことを一つだけ決めてそれを忘れずにきっちりこなすだけでも、続けていれば周囲の評価は大きく変わってくる。あいつはやる時はやるなって、一目置かれちゃうわけだ。次のステップに進むのはそれからでいいんだよ。

 

 

今日一日のプランは5~10分で作る

 

ここまで仕事には2種類あって、それぞれの整理方法を解説してきたわけだけど、これに長い時間をかける必要はないよ。仕事をスタートする前の5~10分でささっと済ませれば十分。本当に一番大事な仕事はこれだっけ?なんて心配しすぎなくていい。それが当たっていたか、間違っていたかは、後日分かるのだから。その結果を見ながら、直していけばいい。

何よりも大事なのは、継続すること。よく継続は力なりって言うけど、これって単なる精神論じゃない。無理なく続けられるやり方も含めて、継続は力なんだよ。そんな細々と長い時間かけてタイムプランニングをしてたら、ほとんどの人は挫折しちゃう。数十分もタイムプランニングして、これから仕事始めますって言ったら上司だって、お前何やってんだって怒っちゃうよ。

 
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タイムプランニングをする意味を考える

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タイムプランニングとは社会との接点づくり

タイムプランニングをする意味を知ると、もっとあなたのやる気が出るかもしれないね。タイムプランニングとは、社会的な時間の流れの中に自分の時間を示す、ということなんだ。

何時から誰々と会う、何時からはミーティングに出席する、これらはつきつめて言うと、私の存在はここにあるよ、と意思表示をするってことなの。社会との接点を見い出すと言ってもいい。これをいつも頭の中に置いておけば「あー、打ち合わせばかりに時間をとられて仕事進まねえ!」なんて愚痴もなくなってくるはずだよ。

社会との接点をつくることで初めて成果が生まれる。人間は一人ではとっても無力な存在なんだからさ。

働いている時間の20~30%は自分のために

だからといって、手帳やスケジュル帳ばかり気にしていたら、ちょっと待てよってなっちゃう。自分は何をしたいんだっけ?何のために仕事をしてるんだ?って自分を見失うことになる。

そうなると異性からも「周囲に振り回されるばかりで魅力がない人ね、あなたは」って言われちゃうかもしれないね。だから社会との接点を持つことと、自分がやりたい仕事をする時間を確保するというバランスを上手くとっていかないと。

では、一日のうちどれくらいの時間を自分のために使うべきか。僕が理事をしている日本タイムマネジメント普及協会では、いろいろな視点から仕事を科学的に分析しているんだけど、働いている時間の20~30%を自分が主体的に進めたい仕事に使うと、ストレスも少なくなるし、全体の効率もあがるという結果が出てる。これは科学的なデータだからぜひ一度試してほしいね。

日常のささやかな目標設定を大切にする

結局、タイムプランニングを突き詰めていくとコミュニケーション技術の一つと言えるかもしれない。将来こんな人になりたいと思って、では今日は何をすべきかと考えるのは自分とのコミュニケーション。将来こんなことをしたいと思って、そのために今日は打ち合わせがある、ミーティングがあるというのは社会とのコミュニケーション。この技術がなければ、自分自身を成長させることはできないし、社会を動かすこともできない。

ちょっと大きな話になったけど、そんな発想ばかりでもいけない。人生の目標設定だけを考えても日々のモチベーションは維持できないって僕は思う。

白くまってアイスがあるでしょ。あれ、僕の大好物なの。難しい仕事と向き合った時、これ終わったら白くま食おうって考えることでモチベーションが高まったりする。人生の目標設定も大事。それと同時に充実した一日を積み重ねるために、日常の中のささやかな目標設定も大切にしなくちゃいけない。何ごともバランス。どちらか一方じゃ上手くいかないものなんだよ。

 

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