NYステーショナリー・レポート 第4回

[NYステーショナリーレポートとは?]
Kanmidoでは、2008年5月、アメリカ最大の文具展示会「ナショナル・ステーショナリー・ショー」やグリーティングカード・文具関連SHOPの現地取材を行ってきました。取材を通して見えてきたアメリカカード文化の最新事情を連載でお届けします。
日本文具は米国で通用するか?
ここまでこのレポートでは、ステーショナリーショーやマンハッタン周辺の小売店の様子をお伝えしてきました。私たちが今回、NYの最新文具事情を リサーチしたのには理由があります。弊社の主力商品・どこでもマグネット がNYでどれくらい通用するかを確かめたかったのです。
どこでもマグネットは、現在、日本国内で主にポストカードや写真を飾るための商品として購入されています。写真やポストカードを飾る文化がしっかり根づいているアメリカならさらに好意的に受け入れられるのでは?と考えました。
果たして、私たちの思惑通りになったのでしょうか?結果を見てみましょう。
どれくらいの価格で売れるの?

まず、「どこでもマグネット」という商品の説明をしたところ、90%以上の方からポジティブな反応を頂きました。
次に、ポジティブな反応を頂いた方のみ『この商品をあなただったらいくらで買いますか』という質問をしたところ、以下のような答えが返ってきました。
■一般消費者の回答
回答された価格帯の範囲:$4 〜 $12
もっとも回答の多かった価格:$6 , $8
■卸業者、小売店バイヤーの回答
回答された価格帯の範囲:$4.99 〜 $7.99
もっとも回答の多かった価格:$5.99
現在、どこでもマグネットは、伊東屋・ロフト・ハンズ・ユザワヤ等を中心に、2個入りで472円(税込)で販売されています。
日本国内の販売価格よりも、少し割高でも買いたい、という声が多かったのは、写真やポストカードを飾る文化があるからでしょうか。
どういうお店で取り扱うといいの?

この店頭価格調査で、私たちは、アメリカ進出も夢ではない?!という想いを濃くしました。となると、次に気になってくるのが、どういったお店で取り扱っていただくといいのか?です。
前回のこのコラムでも触れましたが、アメリカ人の文具に対する考え方は「最低限使えればOKで、価格が重視」という捉え方が主流でありセグメントが二極化しています。
これを実際の販売計画に置き換えると、
A 一般文具量販店大手の「Office DEPOT」や「STAPLES」を狙う
B ファンシー系やデザイン系のお店(MUSEUMショップ等)を狙う
大きく分けてこの二通りになると思います。
製造ロットによってコストが変わりますので、ここで一番気になるのが市場規模です。
卸業者の方達から聞いた情報から、アメリカの文具市場における一般的な目安となる相場の代表値をまとめました。
文具メーカーの方のための参考資料(2008年5月 カンミ堂調べ)
| Retail Price (小売価格) |
Wholesale (卸価格) |
Cost (FOB Japan) (仕入価格) |
|
| 仕入れ値1 | $7.99- | $4.00- | $1.80-(MAX$1.95) |
| 仕入れ値2 | $5.99- | $3.00- | $1.30-(MAX$1.40) |
| 仕入れ値3 | $4.99- | $2.50- | $1.10-(MAX$1.20) |
(注訳:このデータは、様々なデザイン文具にあてはまると思われます。参考までに掲載させていただきました。 ちなみに表内に記載されているFOBとは、「Free On Board」の略で運賃着払い価格を示します。 )
上記の代表的な仕入れ値1〜3 で、どこでもマグネットを例に、デザイン 文具としても一般文具としても売れる日本製の新商品を取引するなら 『初回ロットはいくつ発注するか?』という問いに対しては、概ね 下記数量の回答でした。
仕入れ値1 → 500pcs
仕入れ値2 → 1000pcs
仕入れ値3 → 2000〜3000pcs
「Office DEPOT」や「STAPLES」といった大手と取引すると20,000個〜30,000個 のロットは出るが、交渉力が強くて単価が叩かれ、さらに在庫を極力持たないことから、船場で商品が待機する場合も…との噂もあるそうです。
この状況で 果たして低価格で勝負してくる中国製品に日本製品は太刀打ちできるでしょうか。
総括
現地の方にヒアリングしたところ、「日本製(Made in Japan)」のイメージは、中国製に比べて「高品質・高価格」という答えが全員から返ってきました。
実際に店頭でも「Made in Japan」の文具には価格プレミアムがあり、事務用品向けボールペンのような商品で20%程高くても受け入れられていました。
私たちが考えている以上 に、アメリカでは、まだまだ日本製品に対する信頼が厚いようです。日本製の デザイン文具のアメリカ進出は、この「高品質・高価格」のイメージをどう活かすかがキーファクターになるでしょう。
私たちは現地ヒアリングを通して、海外進出の 手ごたえを感じました。
しかし、現実を強く意識してシミュレーションしてみると、様々な課題やリスクが見えてきたのも事実です。
結論として、「すぐにアメリカへ進出する」ということにはなりませんが、継続的に粘り強くこの障壁を一つひとつ解決していきたいと考えています。
次回、11月1日更新のこのコーナーでは、ニューヨーク行きを検討している方の参考になりそうな(?)、 NY行きで一般的にかかる費用の相場ついてレポートします。
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今月は古田の、「継続と積み重ねについて考える」です。